最近石鹸の良さが見直され、使う人がだんだん増えてきましたね。
でもその石鹸、正しく保管できていますか?
「石鹸って安いからたくさんストックしてたらドロドロに溶けちゃったよ…」
「お風呂や洗面所で使った後ってどう保管するべきなの?」
身近にある石鹸ですが、意外とその正しい保管方法って分からないですよね。
目次
使用中の石鹸の保管方法
コスパも洗浄力も高い優秀な「固形石鹸」ですが、水に溶けやすいという残念な特徴があります。
それを防ぐためのポイントは以下の通りです。
- 濡れやすい場所に置かない
- 使用後は洗い流す
- 水分をしっかり切っておく
お風呂場で使うことが多いのでついつい水回りに置いてしまいますが、できれば水気のない洗面所などに移動させて保管しましょう。
お風呂場に石鹸を置く場合は、シャワーの水がかかってしまう場所や蛇口のすそばなどは避けてください。
そして使用後はそのまま保管するのではなく、一度水で全体を洗い流すと清潔に長持ちさせることができます。
使った後に水切りをしっかりとしておくことも大切です。
石鹸使用後に水分が付いたまま放置したり、ソープホルダーの下に水が溜まっていると石鹸が傷んでしまいます。
できればキッチンペーパーやタオルで石鹸と石鹸置きの水分を拭き取るのが望ましいです。
正しく保管しないとどうなる?
溶けてなくなるのが早いというだけでなく、雑菌が繁殖しやすくなってしまうというリスクもあります。
雑菌は、水とエサ、そして温度の条件が揃ったときに活発になります。
しかも固形石鹸には、脂肪酸という雑菌のエサになる成分が配合されているので特に雑菌が繁殖しやすいのです。
キレイにするための固形石鹸が、知らず知らずのうちに雑菌だらけになってしまったら本末転倒です。
体や顔を洗った後は皮脂や垢がついた状態になるので、それらをしっかり洗い流して乾かしてから保管しましょう。
未開封の石鹸の保管方法
未開封の石鹸は直射日光の当たらない、低い温度の場所で保管しましょう。
開封後の石鹸よりは溶けにくいものの、未開封であっても高温の場所に保管していると溶けてしまう可能性があるので、棚や冷蔵庫などに保管しておくのをおすすめします。
そしてこれから石鹸を使おうとしているならちょっと待って!
一気に丸々1個使うのではなく、石鹸をカットして少しづつ使うと長持ちします。
- カッター
- カッター板または牛乳パックなど下敷きになるもの
- ラップ
- 石鹸を入れるケース
- カッターで好みの大きさに切る
- ラップで包む
- 缶やプラスチックのケースに入れる
- 引き出しや冷蔵庫など涼しいところにしまう
予めカッターで使い切れる量に切ってしまうのがいいでしょう
使いたいときに使う分だけの量を取ることでどろどろに溶けてしまうことなく、最後まで無駄なく使い切ることができるのでおすすめです。
詳しいやり方は下の動画をご覧ください。
石鹸の製造方法で変わる保管のしやすさ
実は、固形石鹸は製造方法によって「泡立ちの良さ」や「保管しやすさ」が異なってきます。
製造方法は主に「中和法(機械練法)」と「鹸化法(枠練法)」があります。
「鹸化法(枠練法)」はさらに「コールドプロセス(無乾燥)製法」と「ホットプロセス(乾燥)製法」に分けられます。
では、一番保管しやすいのはどの製法の石鹸でしょうか?
それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。
中和石鹸(機械練り石鹸)
- 大量生産が可能
- 価格が安い
- 泡立ちが良い
- 溶けやすい
「機械練り石鹸」とはその名前の通り、全工程を機械で作る石鹸のことです。
材料を機械で一気に練り上げ、そのまま機械で押し出し成型するので大量生産ができ低コスト。
十分に乾燥できるため水の含有率が少なく、機械の強い力で練り合わせる間に石鹸の粒子が揃って見た目がきれいな石鹸ができます。
しかしその反面、水によってふやけたり溶け崩れたりしやすい傾向があります。
枠練り石鹸(コールド製法)
- 美容成分、保湿成分がたっぷり配合できる
- 大量生産できない
- 価格が高い
- 溶けやすい
「コールド製法」は枠に流し入れて、時間をかけて冷やし固めて作る石鹸です。
油脂に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を加えて撹拌し、加熱せずに反応熱だけで鹸化します。
グリセリンのほか、未反応の油脂や油脂中の不純物もそのまま残るため、石鹸の純度はあまり高くありません。
しかし、残った不純物が保湿剤の働きをして肌に優しい石鹸になることもあります。
結果、しっとりみずみずしい洗い上がりの潤い成分、 毛穴やニキビなどのトラブルを改善する炭やグリコール酸を配合し、 高機能な石鹸の実現が可能です。
たくさんの人の手による作業が必要な工程を経て完成するためどうしてもコストが高くなり、どちらかというと手作り石鹸や高級石鹸のための特別な製法です。
枠練り石鹸(ホットプロセス製法の鹸化塩析法)
- 美容成分、保湿成分がたっぷり配合できる
- 泡立ちが良い
- 溶けにくい
- 大量生産できない
- 価格が高い
「ホットプロセス製法」は、60~90日かけてじっくり乾燥させる枠練りの方法です。
釜に入れた原料油脂とアルカリ剤を撹拌しながら加熱し、鹸化(油脂そのものをアルカリで加水分解する)反応を起こして石鹸を作ります。
「鹸化塩析法」を用いると鹸化反応の終わったあとに塩析(水溶液に物質を溶かすことにより、もともと溶けていた物質を抽出させること)します。
グリセリンや不純物を取り除き、純度の高い石鹸が得られます。
「焚き込み法」は鹸化反応が終わったあとに塩析しないため、できあがった石鹸にはグリセリンのほか、未反応の油脂や油脂中の不純物もそのまま残ります。
いずれにせよ「泡立ちの良さ」や「溶けにくさ」もプラスされた石鹸です。
ただし、メーカーにとって最も時間と手間がかかり、在庫の確保やコスト面の負担が大きい石鹸の製法です。
石鹸保管のお助けアイテム
水に溶けにくい高級石鹸を買うのは少しためらいますよね。
そんなときは、水切りがしやすい石鹸置きを選びましょう。
主に以下のような種類があります。
- スポンジ
- 泡立てネット
- 珪藻土(けいそうど)
- マグネット
- 蓋つき
スポンジ
スポンジタイプは、余分な水分をスポンジが吸収してくれます。
スポンジの素材が粗めなので水のきれがよく、お値段も¥300前後と安くて手に入りやすいです。
中でも、無印良品の「PPフタ付石けん置き」が有名ですね。
泡立てネット
泡立てネットの中に石鹸を入れ、S字フックなどで浴室外に吊るしておくやり方。
自然に水切りされる上に、使用時もそのまま泡立てられるので楽ですね。
価格は¥100前後とこちらもお手軽です。
珪藻土(けいそうど)
「海藻でできた化石化した土」というちょっと特殊な素材です。
その吸水性、吸湿性、放湿性が注目され、最近はコースターやバスマットなどの水気を取り除きたいアイテムに利用されているのを見たことがあるのではないでしょうか?
https://twitter.com/tkgmaycry/status/1259104280931262464
ただし、珪藻土は天然素材でできているため、品質の悪いものはカビが生えやすい場合もあるので気を付けましょう。
また、価格は¥3000前後なのでこだわりがある人は買うといいかもしれません。
マグネット
壁面との接着部分は吸盤になっており、石鹸に付属の金具を押し込み、磁石で着脱できる仕組みです。
石鹸を何かに置くことすらしないので石鹸溶けの心配を抑えることができ、衛生的です。
価格は¥1000前後です。
蓋つき
蓋付きなので、シャワーの水しぶきから守ることができます。
この商品は石鹸置きとの接着面はステンレス製なので水はけもよく、壁に取り付けるタイプなので水が貯まることもありません。
価格は¥1200前後です。
- 安さを選ぶなら「スポンジ」か「泡立てネット」
- 少し値段が高くてもオシャレさとトレンドを選ぶなら「珪藻土」
- 一番衛生的なのが設置面の少ない「マグネット」
- 物理的に水を避けるなら「蓋つき」
まとめ
- 使用中の石鹸は、濡れやすい場所に置かず、使用後は洗い流し、水分をしっかり切っておく。
- 正しく保管しないと雑菌が繁殖しやすくなってしまう。
- 未開封の石鹸は、カットして使わない分は涼しいところに保管する。
- 溶けにくくて保管しやすいのは「ホットプロセス製法」で作られた石鹸。
- スポンジや珪藻土など水切りがしやすい石鹸置きを選ぼう。
カットして小さくし、使ったらキレイに洗い流して乾燥させるのが長持ちのコツです。
より長く使うために、水に溶けにくい石鹸や水切りグッズを併せて使うとさらにいいですね。
石鹸を正しく保管し、衛生的に長く使いましょう(*^^*)
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今回は、素朴な疑問である石鹸の正しい保管方法について解説していきます(*^^*)