あなたは、次亜塩素酸水がどういうものかご存知ですか?
「次亜塩素酸水?聞いたことないからよく知らないなぁ」
「アルコール消毒の方が安心なんじゃないの?」
そういう方へ、次亜塩素酸水・次亜塩素酸ナトリウム・アルコール、この3つを比較していきたいと思います。
それぞれの特徴を理解して、用途に合わせた選択をしてみてください。
目次
使いやすさの比較
まずは、消毒するときの使いやすさについて比較していきましょう。
次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウム、アルコールの順番に説明していきます。
次亜塩素酸水
次亜塩素酸水の使い方はこちらです。
- 除菌したいところ、消臭したいところにスプレーする
- 次亜塩素酸水を含ませた雑巾やキッチンペーパーなどで拭き上げる
スプレーと拭き掃除、どちらを行っても効果を発揮します。
たったこれだけで、除菌や消臭をすることができるのです!
次亜塩素酸水は人体への影響が少ないので、身の回りはもちろん、手指の消毒に使うこともできます。
安全な物質のためゴム手袋を使ったり二度拭きする必要はありません。
事前に次亜塩素酸水を作っておけば、いつでも簡単に除菌することができます。
次亜塩素酸水は、以下の3つのタイプがあります。
- 液体タイプ
- 粉末タイプ
- 生成装置タイプ
液体タイプはもっともポピュラーなものです。
商品によっては濃度がバラバラなので、購入したものの濃度がいくつなのかを確認し、希釈して使うようにしましょう。
また、スプレーで販売されているものもあるのでさらに簡単に使うことができますよ!
粉末タイプは粉を水に溶かして使用します。
粉末のため長期保存しやすいのと、運搬しやすいのがメリットです。
そして、使いたいときに水に溶かせば3か月ほどもちますが、粉末のままであれば3年ほど保管できます。
液体ほどたくさんは使わないな…という方におすすめです。
最後は生成装置タイプです。
初期費用は他のタイプに比べて高額になってしまいますが、水と塩があれば大量の次亜塩素酸水を生成することができます。
歯科医院や大きな病院などでは取り入れられている場所もありますよ。
現在ではレンタルできるものもあるので、気になる方はご検討してみてはいかがでしょうか。
次亜塩素酸ナトリウム
まず初めに次亜塩素酸ナトリウムを使用した除菌方法を紹介します。
- 塩素系漂白剤(ハイターなど)ペットボトルのキャップ一杯分(5ml)
- 水(500ml)
- 500ml以上のペットボトル
- 雑巾2枚
- ゴム手袋やマスク
除菌方法
次亜塩素酸ナトリウムは除菌効果もかなり期待できるのですが、危険も隣り合わせになります。
- 換気を必ず行う(独特のにおいで気分が悪くなることがある)
- 他の洗剤と混ぜない(有毒な塩素ガスが発生してしまい、死に至ることもある)
- 直接手指に触れない(強いアルカリ性のため、皮膚のタンパク質を溶かしてしまう)
- 必ず二度拭きする(金属などを腐らせてしまう可能性がある)
- 目に入らないようにする(失明するおそれがある)
以上の注意をしっかり守って安全に使うようにしましょう。
詳しいやり方はこちらの記事をご覧ください。
アルコール消毒
最後にアルコール消毒の使用方法をご紹介します。
建物の入口や病院などでもよく設置されているアルコール消毒ですが、とても簡単に消毒することができます。
- アルコール消毒液を手に適量つける(ワンプッシュ分)
- 手のひらや指の間、手の甲などに乾燥するまでしっかりすりこむ
身近なものの除菌に使用する場合も、希釈などの必要はありません。
- スプレータイプ そのままスプレーする
- シートタイプ そのまま拭き掃除する
アルコールはすぐに乾燥して消毒効果も高く、手軽に持ち運ぶこともできるのでとても便利です。
ですが、アルコール消毒液を頻繁に使っていると手荒れを起こしてしまったり、アレルギー反応を起こしてしまったりする人もいます。
それほど刺激が強い消毒液なのです。
ですが、ハンドクリームを使って手荒れを防ぐこともできますよ!
また、引火するおそれもあるので火の近くでは使わないように気を付けましょう!
使いやすさを比較すると以下のようになります。
次亜塩素水 | 次亜塩素酸ナトリウム | アルコール | |
---|---|---|---|
希釈 | ◎ 不要 | ✕ 必ず必要 | ◎ 不要 |
使い方 | ◎ そのままスプレー・拭き掃除可 | △ 二度拭きが必要 | ◎ そのままスプレー・拭き掃除可能 |
手肌への刺激性 | ◎ ほとんどなし | ✕ ゴム手袋必須 | ○ 手荒れをおこすリスクあり |
におい | ◎ ほとんどなし | △ 塩素系の匂いあり | △ アルコール臭あり |
では、次にどれほどの消毒効果があるのか気になりますよね。
手指の消毒をしたいとき、身の回りの消毒をしたいとき、それぞれを比較してみましょう。
手指の消毒をする時の比較
手指の消毒をしたいタイミングってたくさんありますよね。
外出しているときにおにぎりを食べようと思ったけれど、近くにお手洗いが見当たらなかったり。
また、小さいお子さんがいらっしゃる方は特に手指の衛生は気になるところ。
挙げられている3つの中で手指の消毒に使うことができるのは、次亜塩素酸水とアルコールです。
手指の消毒という面で比較すると、次亜塩素酸水の方が消毒効果が高く、人体への影響も少ないと言われています。
アルコールでは消毒することができないウイルスを次亜塩素酸水では消毒することができます。
- ノロウイルス
- ボツリヌス菌
- インフルエンザウイルス
- アデノウイルス
など
ノロウイルスはアルコールでは消毒できないと言われています。
そして、次亜塩素酸水は誤って飲んでしまったり目に入ってしまっても、人体に大きな影響がありません。
次亜塩素酸という物質は人間の体内でも作られるんです!
アルコールと次亜塩素酸水が共通しているのは界面活性剤が含まれていないことです。
手が汚れている場合は消毒の効果がありません。
手洗いをしたあとに手指の消毒に使うと安心です!
ですが、次亜塩素酸ナトリウムは絶対に使用してはいけません。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは全く別の物質です。
- 強いアルカリ性
- 手指に触れるだけでも皮膚のタンパク質を溶かしてしまう
手指の消毒に使いたいときは、アルコールまたは次亜塩素酸水を選びましょう。
もし素手で触ってしまったときのぬるぬるの正体については、こちらの記事をご覧ください。
身の回りの消毒をする時の比較
次に、身の回りの消毒に使いたいときです。
挙げられている3つにそれぞれの特徴があるので解説していきます。
次亜塩素酸水
次亜塩素酸水は人体に害がないため、どこにでも使うことができます。
ですが、すべての有機物に対して反応を起こしてただの水になってしまうので、効果がなくなってしまいます。
例えば、テーブルの上を除菌したいときに油汚れなどが残っていると、その油に反応してただの水になってしまいます。
せっかくの除菌がもったいないですよね…。
次亜塩素酸水を使うときには綺麗に掃除をしたあとの仕上げに使うようにすると、除菌の効果が期待できます!!
次亜塩素酸ナトリウム
次亜塩素酸ナトリウムですが、手指の消毒には使えませんが高い除菌力を持っています。
たとえば、ノロウイルスなどの感染症が起きてしまった場合の便や吐しゃ物の処理をしたいときには濃度が高い希釈液を作ると効果的です。
先ほど紹介した方法で、塩素系漂白剤の量を倍(ペットボトルのキャップ2杯分の10ml)に増やして作りましょう。
使い捨てのマスクやエプロンをつけて、対策すると安心ですね。
アルコール消毒
アルコールは既に生成されているものを使うことで消毒することができます。
濃度は70%が最も高い消毒効果を得られるので、水で薄めるのはNGです。
販売されているアルコール消毒をシュッと吹きかけるだけでできるので、とても簡単ですよね!
特に食品を扱うキッチン周りではアルコールが大活躍すること間違いなしです!!
身の回りの消毒については、こちらの記事も参考にしてみてください。
管理方法の比較
では、最後の比較は管理の方法についてです。
管理方法なんて気にしたことがない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現に私がそうでした…。
ですが、きちんと管理をしなければ消毒できなくなってしまう可能性があるのです。
次亜塩素酸水
次亜塩素酸水は経年劣化しやすい物質です。
そのためには使用期限を守ること、紫外線から守ること、他の有機物と反応させないことを注意しましょう。
これらが守られていないと、ただの水になってしまいます。
次亜塩素酸水を購入するときはどれくらいの期間で使い切るのかを見極めることが大切です。
液体タイプでは約半年ほど、粉末タイプでは3年ほどは効果が持続します。
生成装置タイプは消費量がとても多いと思われるので、機械の管理をしっかりしましょう。
どのような目的でどれくらいの量を使うのかを考えて購入しましょう。
そして、直射日光や温度の管理も大切です。
- 日の当たらない冷暗所に置く
- 高温になりすぎないようにする(35度以上にならないように)
- 作成した日にちを書いたラベルを貼って管理する
使いきれなかったり、管理が行き届かずに劣化してしまったりするともったいないですよね。
次亜塩素酸ナトリウム
ここでは、家庭で次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合に使われることが多い、塩素系漂白剤で考えていこうと思います。
次亜塩素酸ナトリウムも経年劣化することで効果を発揮しなくなります。
そのため、購入してから3年以上経過している塩素系漂白剤は使用しないほうがよいでしょう。
ハイターの使用期限についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
また、塩素系漂白剤も遮光のボトルが使用されているように、紫外線に弱いです。
日に当たらないように気を付けましょう。
そして次亜塩素酸ナトリウムの希釈液を作ったときは、必ずわかりやすいように「危険」などの表記をして小さいお子さんなどの手が届かないところで保管しましょう。
目に入ったり、誤って飲んでしまったりすると命に関わります。
「このくらい大丈夫」と油断せずにきちんと管理しましょうね。
アルコール消毒液
アルコール消毒液は上記2つよりも比較的管理しやすいですが、3年以内に使い切るのが目安とされています。
また、直射日光を避けること、火のある場所を避けること、高温多湿を避けることで消毒効果が長持ちします。
もし未開封でも3年以上経ってしまっている場合は使用しないことおすすめします。
気づかずに使ってしまったときはしっかり水で洗い流しましょう。
そしてもっとも危険なのが引火してしまうことです。
タバコの火やストーブなどが近くにある場合はアルコール消毒を使わないようにしましょう。
管理方法を比較すると、以下になります。
次亜塩素水 | 次亜塩素酸ナトリウム | アルコール | |
---|---|---|---|
保存可能期間 | ✕ 開封後1ヶ月以内 | ○ 3年以内 | ○ 3年以内 |
日光・紫外線 | ✕ 直射日光・紫外線を避ける | ✕ 直射日光・紫外線を避ける | ✕ 直射日光・紫外線を避ける |
湿度 | ✕ 多湿は避ける | ✕ 多湿は避ける | ✕ 多湿は避ける |
温度 | ✕ 高温は避ける | ✕ 高温は避ける | ✕ 高温は避ける |
引火性 | ◎ なし | ◎ なし | ✕ 火気厳禁 |
まとめ
- 使いやすさは、次亜塩素酸水>アルコール消毒>次亜塩素酸ナトリウム
- 手指の消毒は、次亜塩素酸水>アルコール消毒
- 身の回りの消毒は、それぞれの用途に合わせる
- 次亜塩素酸水は経年劣化しやすいので管理に気を付ける
以上を踏まえて、私は次亜塩素酸水を使った除菌が安全で安心だと感じました。
アルコールや次亜塩素酸ナトリウムも便利ではありますが、危険も伴うので注意が必要ですよね。
安全に身の回りを除菌したい方は、ぜひ次亜塩素酸水を使ってみてください!
除菌についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
あまり聞きなれない次亜塩素酸水、実はとっても役に立つ優れものなんですよ☆