ウイルス対策としてアルコールウェットティッシュを使ったり、ウイルスではなく手の汚れを拭き取るためだったり、テーブルや物を拭くのにアルコールウェットティッシュを使う方も多いのではないでしょうか。
持ち運びも便利で、様々な使い方がある便利なアルコールウェットティッシュ。
アルコール濃度が書かれていない商品もたまに見かけますよね。
「ウェットティッシュのアルコール濃度はどれくらいなの?」
「アルコールウェットティッシュで除菌ってできてるの?」
そんな疑問にお答えし、おすすめのアルコールウェットティッシュをご紹介します。
ウェットティッシュのアルコール濃度はどれくらい?
ウェットティッシュのアルコール濃度は、一般的なものでだいたい20~40%くらいです。
濃度の高いもので50%くらいのものもありますが、多くは20~40%です。
こんなに濃度に幅があると、どれを買っていいのか迷いますよね。
スプレー式はあるのに、なぜウェットティッシュだと70%以上がないのか気になりませんか。
アルコール濃度70%以上の商品がないってホント?
ウエットティッシュでアルコール濃度70%以上の商品は、私は店頭で見たことがありません。
ネット上では最近見かけますが限られています。
なぜあまり見かけないのでしょうか。
実は、60%以上を越えると危険物扱いになるんです。
☆消防法上の危険物に該当する消毒用アルコールについて
●消毒用アルコールは、アルコールの濃度が60%以上の製品が危険物に該当します。
危険物に該当し、さらにウェットティッシュは濡れた紙ですので引火性もあり、危険性が高まるからです。
アルコールは揮発性を持つので、濃度が高くなるほど揮発性も高くなり乾きやすくなってしまいます。
昔に比べると、ウェットティッシュのフタが付いている商品や、フタ自体販売されていて密閉性は高くなった気がします。
しかしやはりいくら密閉性が高まったとはいえ、テープで開け閉めするタイプが多いのでアルコールウェットティッシュの揮発性と水分量はずっと保てません。
そのため、高濃度アルコールウェットティッシュの濃度には限界があります。
また、アルコール濃度が高くなるほど、手荒れにも影響します。
そのため高濃度ウェットティッシュには、肌荒れ防止のための成分が入っています。
次はアルコール濃度によってウイルスの不活化にかかる時間をみていきましょう。
アルコール濃度によってウイルスの不活化にかかる時間は?
アルコールによって不活化できるウイルスは、全てではありません。
不活化できるウイルスは、脂の膜で覆われているエンベロープウイルスにだけ効果があります。
以下がアルコール濃度別にウイルスの不活化にかかる時間の目安です。
アルコール濃度 | ウイルスの不活化にかかる時間 |
---|---|
90vol%以上 | 約30分~数時間 |
83~90vol% | 約15秒~30分 |
70~83vol% | 約10~15秒 |
60~70vol% | 約15~30秒 |
50~60vol% | 約30秒~1分 |
40~50vol% | 約1~5分 |
30~40vol% | 約5~30分 |
20~30vol% | 約30分~1時間 |
20vol%以下 | 未確認 |
参照:アルコール類のウイルス不活化作用に関する研究ウイルスに対する各種アルコールの不活化効果についての論文
●vol%とは?
vol=体積(ボリューム)%=濃度(パーセント)
体積で考えた時の濃度をあらわす単位です。
例えば、エタノール70vol%とは、100ml中に70mlのエタノールが入っているということです。
表を見ると、60~83vol%あれば数秒でウイルスが不活化しますが、他の濃度では不活化に時間がかかっていますよね。
逆に高濃度の90vol%以上の場合はウイルスの不活化にかなり時間を要しています。
そこまで高濃度のアルコールウェットティッシュはなかなかないのですが、ウイルスと一緒に汚れを拭い取るためにウェットティッシュを使う分には問題なさそうです。
ウェットティッシュの除菌効果は?
よくウェットティッシュの表面に「除菌99.99%」と書かれているのを見ますよね。
ウェットティッシュの除菌効果をみていきましょう。
ウェットティッシュの除菌効果
アルコールウェットティッシュはどんな時に使いますか?
私は手が汚れたと感じた時に手指を拭いたり、食事前にテーブルを拭いたりします。
ショッピングモールや外食をされる方は、テーブルや椅子、ベビーカートを拭いたりするのではないでしょうか。
そのアルコールウェットティッシュに除菌効果はあるのか?というのを検証したいと思います。
実験では、細菌を付着させたテーブルを
- 除菌ウェットティッシュ(アルコールタイプ)
- 除菌ウェットティッシュ(ノンアルコールタイプ)
- 除菌表示のないウェットティッシュ
- 水道水を含ませたウェットティッシュ
上記4つのタイプで拭き取り、拭き取り1回~3回の細菌の減り方を調べたものです。
「結果」
- いずれの場合も1回の拭き取りで全ての細菌を除去することは難しかった。
- 除菌ウエットティッシュ(アルコールタイプ)が最も除菌効果があった。
- 拭き取りの回数を重ねることで細菌数を減少させ、3回目の拭き取り後は大部分の細菌を除去することができた。
1回目の除菌ウェットティッシュ(アルコールタイプ)でも割と細菌を除去してるなぁという印象でした。
この実験から、手にアルコールウェットティッシュを使用しても除菌に効果はありそうですね。
どれにでもいえることですが、拭き取り面は1回のみの使用にしてください。
ウイルスが付いた面で何度も拭き取っても、ウイルスを広げてしまうだけなので、注意しましょう。
除菌・抗菌・殺菌・滅菌・消毒の違い
除菌・抗菌・殺菌・滅菌・消毒などの言葉をよく目にしませんか?
スポンジには除菌洗剤、哺乳瓶には消毒、抗菌加工付きまな板などどれが菌に効果があるのかわからなくなってしまいます。
実は、この言葉を大きく分けると「菌を殺すもの」と、「菌を殺さないが増やさないもの」の2つに分けられます。
「殺菌・滅菌・消毒」が菌を殺すもの、「除菌・抗菌」が菌を殺さず増やさないものです。
では、違いを見ていきましょう。
滅菌 | 全ての菌を殺す死滅させ除去すること。 |
殺菌 | 一部でも菌を死滅させた場合でも使える言葉。薬事法の用語で、医薬品などでは使えるが、洗濯洗剤などの雑貨には使用不可。 |
消毒 | ある程度まで死滅または除去させ、害のない程度まで減らしたり、感染力を失わせるなどして、毒性を無力化させること。こちらも薬事法の用語です。 |
除菌 | 菌を取り除くこと(殺さない) |
抗菌 | 菌の付着防止や、あくまでも抑制するのみ |
以上のように、除菌99.99%という商品は菌を殺さないが、99.99%取り除いてますよ~という意味なんですね!
薬事法上、殺菌ウェットティッシュという名前の商品がないのです。
アルコールウェットティッシュの成分は?
では、これまでアルコール濃度について書いてきましたが、アルコールウェットティッシュの成分を見ていきましょう。
成分の欄には、配合量の多い順に書かれています。
特に除菌力の高いものを求めるのなら、エタノールが一番初めに書かれているものを選んでください。
除菌99.9%と表面に書いてある製品でも、成分の最初にくるものは水と書かれてます。
- 「ベンザルコニウム」
- 「ポリアミノプロピルビグアニド」
他に、この2つが使われている製品もあります。
「ベンザルコニウム」は、エタノールとは違う消毒効果のある成分です。
消毒効果はエタノールに比べると劣るといわれていますが、アルコールに対して弱い方に主に使われます。
「ポリアミノプロピルビグアニド」は、皮膚の消毒やコンタクトレンズの洗浄液に使用される消毒剤および防腐剤です。
かびや細菌などの微生物の繁殖を抑える「防腐剤」や、グリセリンやアロエエキスなど手あれ防止のための「保湿剤」が含まれ、除菌と手あれ防止になるような製品ができているんです。
こちらに詳しく書かれている記事もあります↓
おすすめウェットティッシュ5選
濃度やメーカーなどさまざまなアルコールウェットティッシュがありますが、ここからはおすすめのアルコールウェットティッシュを5つ紹介します。
高濃度で使い心地の良いものに絞りました。
①富士フィルム製Ag+のチカラで持続除菌アルコールクロス
- アルコール濃度60%!高濃度!!
- Ag+の銀のチカラで高い除菌能力を長時間持続!
- 人体に対する安全性も確認済み。
市販ではあまり見かけませんが、高濃度アルコールウェットティッシュとしてインターネット上では販売されています。
大手企業の富士フィルム社製で、安心感ありますよね。
富士フィルムの写真フィルムには、ハロゲン化銀が使われていました。
その銀を長年研究し、独自技術を生かしてアルコール除菌シートを開発しています。
アルコールだけよりも、銀が入ることによって雑菌をキャッチし抗菌するため長時間持続します。
用途は対物ですので、手指に使わないように注意してください。
②エリエール除菌できるアルコールタオル本体(80枚入)
- アルコール濃度50%!
- やわらか取り出し口に改良
- 手あれ防止にアロエエキスを配合
こちらも高濃度アルコール50%です。
高濃度のため手指の油分を取り除いてしまうため、手あれ防止にアロエエキスを配合しています。
エリエールは取り出し口を改良して、引き出しやすさを向上させています。
ウェットティッシュって途中で切れてしまったり、入れ替えする時に手間取ったりしますよね。
スムーズにできるよう改良しています。
③シルコット99.99%除菌ウェットティッシュアルコールタイプ本体(40枚入)
- キッチンや身の周りのものの除菌
- 厚手メッシュで使いやすい
- やわらかV字スリットで取り出しやすさアップし、新密閉構造で乾きにくい
厚手メッシュなので汚れもメッシュ部分で絡め取り、厚手なので汚れが直接手につきにくいです。
食事前などにテーブルを拭いたりできますね!
これも対物用ですので、手指には使わないように注意してください。
④シルコット消毒ウェット
- 手指・皮膚の消毒が出来る
- 指定医薬部外品
- 肌触りの良い「厚手やわらかシート」でやさしいふきごこち
消毒成分に、さきほど成分で説明した塩化ベンザルコニウムが配合されています。
ワンプッシュで1枚ずつ取り出せるので、片手が汚れていても便利です。
病気の予防などに使用される医薬品から、販売の規制が少し緩和された指定医薬部外品なので消毒という用語が使われていますね。
⑤スコッティウェットティシュー消毒携帯用(30枚入)
- ふんわり厚手の不織布シート
- 指定医薬部外品
- 手指の消毒に最適
成分は、塩化ベンザルコニウム0.05%、次にエタノールと消毒成分の配合量が上位です。
携帯用と通常のプラスチック本体入りもありますが、お出かけに便利!ということで携帯用を紹介しました。
こちらも指定医薬部外品のため「消毒」という言葉が使われています。
見た目もシンプルなホワイトとピンクでおしゃれな感じがしますね!
まとめ
- アルコールウェットティッシュの濃度が60%以上のものは危険物扱いになる
- アルコール濃度60~83%でウイルスの不活化に効果がある
- 除菌シートでの拭き取り実験ではアルコールタイプが一番効果があった
- 除菌力の高いものを求めるなら、成分の一番初めにエタノールと書かれたものが良い
アルコール濃度について調べてみると危険物であったり、ウイルスに効果がある濃度があったりいろいろ出てきて深いですね。
用語の違いもなんとなくしか分かっていませんでしたが、調べて納得しました。
アルコール濃度が高いほど揮発してしまうので、使用期限はありませんが早めに使い切るようにしてくださいね!
ウェットティッシュに関する記事はこちらもご覧下さい↓↓
アルコール濃度は高ければいいってものでもないんですよ〜。
どの濃度がいいのか私と見ていきましょう!