最近、次亜塩素酸水という名前をちょこちょこ耳にすることがあると思います。
「次亜塩素酸水って何ぞや?」と思っている方もたくさんいるのではないでしょうか。
そこで今回は、次亜塩素酸水の特徴と使い方について解説していきます。
入手しづらくなってきている「アルコール消毒液の代用品」とも言われているので、ぜひチェックしてみてください。
次亜塩素酸水の使い方
まず初めに、次亜塩素酸水の効果や使い方に関してご紹介していきます。
ウイルス対策だけでなく、除菌や消臭などの効果もありますので是非参考にして下さい。
主な使用用途
- ウィルス対策
ウイルスが付着した場所にスプレーで噴射し、時間を空けて拭き取ることで対策を行うことはもちろん、衣服や食器などを次亜塩素酸水に浸けてウイルスを不活化することもできます。 - アレルギー物質の除去
アレルギー物質が付着した衣服や鞄、室内にスプレーで噴射する方法が効果的。花粉症の人にもうってつけです。 - 家内の除菌と消臭
さまざまな細菌を不活化する除菌効果があります。靴下のにおいや加齢臭、肉や魚の腐敗臭、生ゴミのにおい、おむつやペットのにおいなどを除菌・消臭します。
ウイルス・アレルギー物質や空間の除菌、そして消臭にも効果的なので普段の生活にも大活躍です。
使い方
- 丁度いい濃度に薄める
- 除菌・消臭したい箇所に吹きかける
以上です。使い方はとっても簡単ですね。
ただし、次亜塩素酸水は一定の濃度に薄めて使うものになります。各箇所毎の詳しい濃度と説明については以下をご覧ください。
- 手や指に
皮膚の除菌をするのなら、50~100ppmの濃度が目安。ウイルス感染を予防したい人は、アルコールの変わりに小さいスプレーボトルに次亜塩素酸水を入れて携帯するのもよいでしょう。 - キッチン道具の除菌
まな板や包丁など調理器具の除菌をするのなら、目安となる濃度は50ppm。調理器具を使う前にまんべんなくスプレーして5分間おけば、除菌できます。台所全体・シンク・三角コーナーにひと吹きすれば、消臭効果も期待できます。 - トイレのニオイに
悪臭の原因となるアンモニアや硫化水素を分解する作用があります。トイレや排泄物のニオイには、50ppmの濃度が目安です。 - ペットのニオイに
動物にも無害なのでペットに使うことができます。ペットに直接スプレーするときの濃度は、50ppm以下が目安になります。 - お風呂のカビ対策に
はっきりと濡れるくらいまで吹きかける必要があります。濃度は高めの200〜400ppmくらいが目安。 - 室内の空間除菌に
定期的に次亜塩素酸水のスプレーを空間に吹きかけるることにより、室内感染をケアすることが可能となります。このときの濃度は50ppm以下を目安にしてください。
ウイルスの感染で注意したいのが、接触感染です。
手の荒れや特定のウイルスに対応していないというアルコールのデメリットに対応できるのが次亜塩素酸水。
インフルエンザやノロウイルス、微生物などへ効果を発揮しながらも、弱酸性なので皮膚にダメージを与える心配がありません。
必要なときにシュッと吹きかけるだけで除菌や消臭が可能で、もちろん手指にも使えます。
衛生に気をつけたいキッチン、ニオイが気になるペットやトイレ、お風呂場のカビ対策などあらゆる箇所に万能的に使えます。
ただし、使用箇所・使用目的によって目安の濃度が変わってくるので注意しましょう。
- 手指消毒や空間に噴霧といった人体に触れる場合は、「濃度50ppm以下」
- トイレ使用後の消臭やカーテンや部屋の消臭に効果的なのは「濃度100ppm」
- 汚れや臭いがキツイところの除菌・消臭には「濃度200ppm」
次亜塩素酸水とは
- 強力な殺菌効果を持つ
- 有機物に触れるとすばやく水に戻る
- 人体や動物にも無害で安全
- 様々な分野で使うことができる
そもそも次亜塩素酸水とはどういった物質なのでしょうか?答えは、食塩水を電気分解することで得られる水溶液です。
次亜塩素酸は人の体内でも作られ、さまざまな病原体に対して免疫物質として使われています。
また、有機物に触れるとすばやく水に戻るため、強力な殺菌効果を持ちながらも人体や動物にも無害です。
そのため食品工場、幼稚園や病院、ペットショップなどでも広く使われています。
医療分野では「強酸性電解水」として医療機器などの消毒に、食品分野では食品添加物の「殺菌料」として野菜や調理器具の消毒、あるいは野菜の色を維持するために使われています。
次亜塩素酸の種類
電気分解での製法やpH値・有効塩素濃度が厚生労働省により定められており、その違いにより強酸性・弱酸性・微酸性の次亜塩素酸水に分けられています。
- 強酸性次亜塩素酸水
水溶液中に含まれる有効塩素濃度は、20~60ppm(0.002%~0.006%)でPH2.7以下。
0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液(食塩水)を有隔膜電解槽で電気分解して得られる。
- 弱酸性次亜塩素酸水
有効塩素濃度が10~60ppm(0.001%~0.006%)、PH2.7~5.0。
0.2%以下の塩化ナトリウム水溶液(食塩水)を有隔膜電解槽で電気分解して得られる。
- 微酸性次亜塩素酸水
有効塩素濃度 50~80ppm(0.005%~0.008%)でPH5.0~6.5の範囲の水溶液。
3%以下の塩酸及び5%以下の塩化ナトリウム(食塩)を含む水溶液を無隔膜電解槽で電気分解して得られる。
引用:荻原歯科医院公式サイト
少し難しいですが、とにかく微酸性の次亜塩素酸水が最も安全で殺菌効果も高い事が厚生労働省により検証されています。
また、上記グラフのように、次亜塩素酸はアルカリ性に傾くと次亜塩素酸(HCIO)の含有量が減り、代わりに次亜塩素酸イオンの比率が多くなります。
殺菌効果としては次亜塩素酸の比率が高い方が効果があるため、微酸性の次亜塩素酸が最適な状態と言えるのです。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムとの違い
次亜塩素酸水 | 次亜塩素酸ナトリウム | |
見た目 | 無色 | 黄色 |
性質(ph値) | 酸性 | アルカリ性 |
特徴 | 殺菌と消臭 | 殺菌と漂白 |
用途 | 手指の殺菌・空間除菌など | カビ取り・漂白洗剤など |
メリット | 人体への影響が少ない | 安価で手に入り易い |
デメリット | 長期保存ができない | 強力すぎて触れると危険 |
名前が似ているので混同しやすいですが、「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」は全くの別物です。
「次亜塩素酸水」は酸性で、食品添加物として厚生労働省により認可されておりその安全性が検証されております。
一方「次亜塩素酸ナトリウム」はアルカリ性で、皮脂を溶かしてしまうほど強力で、酸性の液体と混ぜると毒ガスが発生するといった危険物です。
性質や使用用途は違うので、誤って逆の用途で使ってしまうとかなり危険なので注意しましょう。
このツイート7000RT以上になったけど多くの人が次亜塩素酸ナトリウムをスプレーにして使ったり加湿器に入れたりしているから要注意ね
あとこのツイートのツリーをよく読んで下さい。
次亜塩素酸水、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウムの区別がついてないない人や効果が分かっていない人が数多くいます https://t.co/uliqeAldTz— Dr.豆腐イズム (@NIdJJrgIEroNshN) April 15, 2020
次亜塩素酸水の注意点
- 有機物や紫外線に触れると水に戻ってしまう
- 製造年月日から日が経つにつれて除菌力が弱まる(消費期限がある)
- 金属は錆びるので、吹きかけたら必ず拭き取る
有機物に触れた瞬間水に戻るので、汚物を除菌する場合は綺麗に取り除き、その後に次亜塩素酸水を吹きかけるようにしましょう。
また、除菌したいものに直接かけないと効果が得られないので注意。(タオルに吹きかけてからテーブルを拭く⇒あまり意味がありません。)
紫外線も水に戻る原因なので、紫外線を通さない黒いボトルに入れ、日の当たらないクローゼットなどに保管しましょう。
消費期限は長いもので1年、詰め替え用などは3ヶ月~半年となっています。
備蓄しても除菌力がなくなっていく一方なので、できるだけ新鮮な状態の次亜塩素酸水を使いましょう。
金属は錆びてしまうので、金属の除菌にはできるだけアルコールを使うようにしてください。
https://twitter.com/momo_rin_s2/status/1249847155935698945
まとめ
- 次亜塩素酸水は手指~空間まで幅広く使える
- 使用箇所・使用目的によって目安の濃度が違う
- 強力な殺菌効果を持ちながら、人体に無害
- 微酸性の次亜塩素酸水が最も安全で殺菌効果も高い
- 「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」は全くの別物
- 有機物・紫外線・消費期限・金属に注意
除菌も消臭もできて、あらゆる箇所に使えて、しかも安全。
アルコール消毒のデメリットもカバーしている次亜塩素酸水はかなりウイルス対策に有効ではないでしょうか?
濃度や注意事項を守り、次亜塩素酸水を使った除菌をしていきましょう。
下記の記事でも次亜塩素酸水について紹介しているのでぜひご覧ください!