手指の消毒に使えるアルコール。
皆さんも消毒によく使っている方も多いと思います。
「アルコール除菌のキッチン用って何が違うの?」
「アルコール消毒が売ってないけど、キッチン用アルコール除菌でも使える?」
アルコール除菌の商品はたくさん出ていますが、キッチン用は何か違いがあるのでしょうか。
成分はアルコール(エタノール)ですが、濃度や入っている成分によって変わってきますよ。
目次
アルコール除菌キッチン用とアルコール消毒の違いは?
どちらもアルコールとなっているので、「同じでしょ。」と思う方もいると思います。
しかし、アルコール除菌キッチン用は、手指には使えません。
どうしてもアルコールがなくて、仕方なくであれば使うことも可能ですが、あまりオススメしません。
では、その理由を見ていきたいと思います。
アルコール濃度
手指の消毒をするための消毒液には、70~83%のアルコール濃度が必要とされています。
40%以下もしくは、90% 以上の濃度になると、効果がほとんどなくなってしまいます。
ここを踏まえながら、フマキラーのキッチン用アルコール除菌と手ピカジェルプラスを例として、比較していきたいと思います。
- フマキラー キッチン用アルコール除菌スプレー【アルコール濃度 49vol%】
- 手ピカジェルプラス【76.9~81.4vol%】
上記のようにアルコール濃度が全然違いますね。
手消毒用としてはアルコール度数が不十分になってしまいます。
消毒薬の濃度を示す単位です。
100ml中に70mlのエタノールが入っているということです。
v/v%という単位もありますが、こちらも濃度を表すもので同じです。
vol%=v/v%=%ということになります。
キッチン用のアルコールは、まな板やフキンの除菌には効果が実証されています。
実証実験の動画もあります。
しかし、手についたばい菌の消毒はできなくもないですが、アルコール度数が足りないので、手指の消毒には適さないと言えます。
つまり、インフルエンザやノロウイルスなどは、アルコール度数の高い手ピカジェルなどを使う方が効果的ということです。
成分
では、成分には違いがあるのでしょうか?
同じく、フマキラーのキッチン用アルコール除菌と手ピカジェルプラスで比較してみます。
- 発酵アルコール
- グレープフルーツ種子エキス
- 緑茶抽出物
除菌効果として、発酵アルコール(糖質とでんぷん質の原料から作られるアルコール)が使われています。
さらに抗菌効果には、グレープフルーツ種子エキス、消臭効果には緑茶抽出物が含まれており、全て天然生まれの成分となっています。
- エタノール
- リン酸
- グリセリン
- アラントイン
- ミリスチン酸イソプロピル
- グリセリン脂肪酸エステル、パラオキシ安息香酸エチル
- N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩
- ヒドロキシプロピルセルロース
リン酸が配合されているので、エタノールのpHが弱酸性になります。
この効果によってピンクの手ピカジェルよりも、ノロウイルスなどにも対応できるように改良されたものです。
手ピカジェルプラスはpHは酸性なので手荒れが起きやすいのです。
しかしグリセリン(角層の水分量を補う)や、アラントイン(亀裂を修復)などの保湿剤を配合しているので、手荒れの心配がありません。
つまり、アルコール除菌キッチン用はまな板などには効果的ですが、保湿成分は配合されていないため、手指の消毒には適さないということが言えます。
アルコールと言えども、濃度や成分によっては違いがあるんですね。
手ピカジェルとアルコール除菌の記事もありますよ↓
おすすめのアルコール除菌キッチン用スプレー
いろいろなメーカーからアルコール除菌スプレーが出ているので、おすすめをご紹介していきたいと思います!
フマキラー アルコール除菌
先ほども紹介しましたが、天然成分(グレープフルーツ種子エキスや緑茶抽出物)で、食器や保存容器に使えるという安心感があります。
また、グレープフルーツ種子エキスは蒸発しにくいので、アルコールが蒸発した後もまな板や包丁の表面に残り、抗菌効果を発揮し続けます。
気になる場所にスプレーするだけで、細菌・ウイルスを99.99%除去し、拭き取りや水洗いも不要です。
カビキラー アルコール除菌
アルコール濃度は公表されていません。
しかし成分は、発酵エタノール・クエン酸ナトリウム・乳酸・精製水。
クエン酸はエタノールと相乗効果があるので、除菌効果を高めているといえます。
こちらも発酵エタノールなので、安心して使うことができますね。
使用方法は、除菌するところにそのまま吹きかける方法と、乾いた布に吹きかけてふき取る方法があります!
クイックルジョアン 除菌スプレー
成分は、天然ローズマリー水配合(香り気にならない微香性)が配合されています。
ノンアルコールで99.9%除菌ができ、さらに発酵乳酸配合で24時間抗菌できるので、お子さんやペットがいる家庭でも安心して使えますね。
食卓からキッチン家電、子ども用品やペット用品など広範囲で除菌できます。
素肌と同じ弱酸性でできているので、手荒れなどを気にせず使えますね。
他にもおすすめのアルコール消毒を紹介した記事があります↓
除菌スプレーの正しい使い方
除菌スプレーは汚れなどが気になる所に、スプレーするだけでいいと思っている方が多いと思います。
除菌をする前に、ニオイや菌の繁殖の元となる汚れを掃除することが、大切なポイントになります。
掃除をしていない状態でスプレーを使用するのと掃除してから使用するのとでは効果が大きく変わります。
基本的な使用方法
アルコールの除菌スプレーは、気になる部分に少量ずつスプレーをして、キレイな布やキッチンペーパーなどで拭き取るのが一般的な使い方です。
アルコールは蒸発するため、吹き付けた場所に残りにくいのがメリットですが、濡れた場所では効果が弱まるというデメリットがあります。
濡れているものにスプレーを使うと、水分によりアルコール濃度が下がるので、除菌力も低下します。
まな板や調理器具などに使う場合は、吹きかける前に水分をしっかり乾燥させるか、水分を拭き取ることが重要です。
- 水回り
- 家族が手に触れる所
- 子供のおもちゃ
- 冷蔵庫の中
- カビが発生した場所
アルコール除菌は、除菌の他に、消臭効果やカビの予防にもつながります。
冷蔵庫の中などは食品の匂いがこびり付いていたりしていますが、アルコール除菌スプレーで拭くことにより、あっという間に消臭できます。
注意点
アルコールの除菌スプレーは、吹きかけたものによっては引火し、やけどや火事になるという危険があります。
火の気のある場所での使用はもちろん、コンセント、スイッチなどに直接吹きつけるのは避けましょう。
また、使えないものは、革製品やニス、ワックスが塗ってある所(フローリング)などには、ダメージを与えてしまう恐れがあるので、注意が必要です。
東京消防庁も消毒用アルコールによる火災事故の可能性があると、呼びかけています。
水拭きだけじゃダメなの?
家族みんなが集まる食卓のテーブルや、料理を作るキッチンシンクなどは、いちいち除菌しなくてはいけないのでしょうか。
台ふきんはいつも水で洗ってるし、水拭きだけでいいと思っていませんか?
ここからは、どのくらいテーブルやキッチンに雑菌があるのか見ていきたいと思います。
フキンの雑菌
梅雨の時期になってくると、雑菌の繁殖が気になりますよね。また食中毒が増えるタイミングでもあります。
衛生微生物研究センターは、主婦500名を対象に、食卓に潜む“食卓菌”の数やアルコール除菌の実態について調べました。
以下の画像は、一般家庭の食卓に存在する菌の数を測定し、アルコール除菌を行った際の菌の数の変化について測定した結果です。
引用:トレンド総研
1日に1回でも、台ふきんで水拭きした食卓には、多くの菌がいるということがわかりました。
16時間後には、菌の繁殖がはっきりとわかりますね。
また、アルコール除菌後は、菌ほとんどいないので、アルコール除菌の有効性が明らかになりました。
これを見るとわかるように、フキンにはたくさんの菌があることがわかります。
ただの水洗いではなく、アルコール除菌スプレーで食卓を清潔に保ちたいですね。
そんな時にオススメなのが、カビキラーアルコール除菌【食卓用】です。
99,99%除菌できるプロ仕様のアルコール除菌となっています。
片手で押してサッとふくだけで、二度拭きはいりません。
これがあれば、お子さんがいたり忙しい方でも清潔を保てますね!
キッチンの雑菌
包丁、蛇口のハンドルなど掃除しているようで、意外と菌が増殖しやすいんです。
また、衛生微生物研究センターは一般家庭の包丁や蛇口についている菌を調査しました。
包丁からは、最大約290万個、蛇口のハンドルからは、最大約140万個の雑菌を検出しました。
引用:@Press
なかなか、たくさん菌があるんだな。と思いませんでしたか?
包丁は食材を切るのに欠かせないものですよね。必ず包丁は除菌を意識しましょう。
包丁をよく洗って水気をしっかりとった後、アルコール除菌スプレーを吹きかけます。
食品添加物を原料にしたものであれば、スプレーするだけで二度拭きや洗い流しもいらないので、手軽に除菌できますね。
蛇口のハンドルも流しの掃除をした後、仕上げにアルコール除菌スプレーを吹きかましょう。
清潔な台ふきんやキッチンペーパーなどで調理台を拭く時に、一緒に蛇口の除菌をすると楽ですよ!
まとめ
- キッチン用アルコール除菌は濃度・成分が違うため、手指の消毒にはオススメしない。
- オススメのアルコール除菌は【フマキラー】アルコール除菌・【カビキラー】アルコール除菌・【クイックルジョアン】除菌スプレー。
- アルコール除菌は対象物が濡れていると効果が弱まるので、水気をとってからにしましょう。
- 火があるところでは使用しない。
- キッチンやフキンはキレイにしていても雑菌が繁殖しやすいので、定期的に除菌を心がけましょう。
アルコール除菌のキッチン用は、手指にはあまり使えませんが、キッチンの雑菌にはとても効果的でしたね。
雑菌は目に見えにくいものなので、意外と大丈夫でしょ。と思っている方もいると思います。
実際に私もそうでしたが、食中毒などが気になるようになり除菌するようになりました。
ぜひこの記事を読んで、アルコール除菌の重要性を知っていただけたらと思います(^^)
アルコール除菌についての記事はこちらから↓
アルコール消毒は今や欠かせないものになりましたね。
今回は、アルコール除菌のキッチン用について解説していきます。