「次亜塩素酸ナトリウム」というのを聞いたことがありますか?
皆さんご存じ「キッチンハイター」の主成分として使われています。
実はそのお馴染みハイターが、インフルエンザやノロウイルスに効果があるんです。
今回はそのハイターを使った消毒液の作り方・使い方をご紹介します。
目次
次亜塩素酸ナトリウムって何?
次亜塩素酸ナトリウム(じあえんそさんナトリウム、sodium hypochlorite)は次亜塩素酸のナトリウム塩である。化学式は NaClO で、次亜塩素酸ソーダとも呼ばれる。希釈された水溶液はアンチホルミンとも呼ばれる。水溶液はアルカリ性を示す。
引用:ウィキペディア公式サイト
簡単に説明すると、殺菌・染み抜き・漂白に効果を発揮する塩素系の消毒剤の一種になります。
安価で比較的扱いやすいため、幅広く消毒に用いられています。
ノロウイルス・インフルエンザウイルスは勿論、食中毒菌にも有効です。
便利だからこそ取扱いには注意しよう
次亜塩素酸は安価で手に入り、利便性に優れます。
しかし、成分が強力なので取扱時には注意が必要です。
- 使用時には手袋を着用。
- 酸性の洗剤と混ぜない。
- 金属、メラミン食器には使えない。
- 汚れは除去してから使う。
- 時間経過・日光・熱に影響される。
使用時には手袋を着用
次亜塩素酸は皮膚への刺激が強く、肌荒れを起こしてしまうので使用時は必ず手袋を着用しましょう。
めんどくさいからと素手で触って、皮膚に付着すると大変なことになります。
https://twitter.com/horikawatokiya/status/1154174902091468800?s=21
素手で触れる危険性について、詳しくは以下の記事をご参照ください↓↓
酸性の洗剤と混ぜない
次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性です。
酸性の洗剤と混ぜてしまうと、塩素ガスという有毒のガスが発生します。
この塩素ガスは目・皮膚を腐食させ、濃度が高いと死に至る危険性があります。
1980年代には主婦がトイレ掃除の際にハイターと酸性洗剤を誤って混ぜてしまい、それにより発生したガスにより死亡した事例があります。
使用中に刺激臭を感じたときは、換気をして出来るだけ早くその場所を離れましょう。
刺激臭を感じなくなるまではその場に入ってはいけません。
刺激臭を感じなくなったら、水で綺麗に洗い流しておきましょう。
次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)がこれらの品です↓これに酸性洗剤・クエン酸・お酢・アルコール・レモン汁が混ざると超猛毒塩素ガスが発生して煙や飛沫が目に入ると失明する危険性があります pic.twitter.com/urfV8PBgQ7
— 菅原 仁 (@ddKoyg5UYOTgaUr) March 20, 2020
金属、メラミン食器には使えない。
次亜塩素酸ナトリウムの強力な殺菌力は、金属を錆びさせたり変色させてしまいます。
メラミン樹脂の食器にもNGです。
食器が黄ばんで、表面が劣化してしまいます。
どうしても使いたい場合は
金属→塩素系漂白剤を使った後、水で洗い流す。
メラミン樹脂→酸素系漂白剤を使用。
https://twitter.com/honoka_shizuoka/status/1250036363803496452?s=21
汚れは除去してから使う
汚れが付着したままだと、次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力が低下してしまいます。
汚れがある場合は、あらかじめ洗剤で洗ってから次亜塩素酸ナトリウムを使用しましょう。
後述します消毒液を作る際の容器も、清潔なものを使いましょう。
https://twitter.com/oqucafe_in/status/1237020414708072463?s=21
時間経過・日光・熱に影響される
次亜塩素酸ナトリウムは
- 空気
- 熱
- 光
これらの影響を受けやすく、触れてしまうと殺菌力が低下してしまいます。
使用分のみ希釈することと、冷暗所に保管すること
この二つを意識しましょう。
次亜塩素酸ナトリウムって赤ちゃんに使って大丈夫?
結論から言うと問題ありません。
哺乳瓶の消毒に用いられている「ミルトン」にも次亜塩素酸ナトリウムが入っています。
どうしても心配・・・ということでしたら、赤ちゃん用の漂白剤もありますので、そちらを使用しましょう。
次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方
まず前提として、次亜塩素酸ナトリウムでの消毒液は物専用です。
ドアノブやリモコンなどの手が触れる物に使用してください。
- ハイター
- 水
- ペットボトル
- 手袋
作り方はハイターと水を混ぜるだけです。用途によって消毒液の濃度が変わります。
- ペットボトルに水250mlを入れる。
- ペットボトルキャップ2杯半を入れる。
- よく振って混ぜる
- ペットボトルに水250mlを入れる。
- ペットボトルキャップ1杯を入れる。
- よく振って混ぜる。
容量は違いますが、こちらの動画で作り方をご参考ください↓↓
さらに花王さんの「キッチン泡ハイター」ならば、薄めることなく0.1%の消毒液として使用することが出来ます。
花王のハイターは希釈濃度が違う
「花王」のハイターは一般の希釈より濃度が違います。
少し濃いめなので、花王のハイターを使う場合は花王オリジナルの希釈方法に従うことをお勧めします。
ハイター消毒液の使い方はこちらの記事で詳しくご紹介しております↓↓
ハイターとブリーチの違いは?
薬局に行くと、「キッチンハイター」「キッチンブリーチ」両方置いてありますよね。
どちらも塩素系漂白剤で成分もほぼ一緒。
「どっちがいいんだろう・・・」と悩む方はいらっしゃるでしょう。
この二つの違いはズバリ、名称にあります。
つまり「ハイター」という名称は株式会社花王の商品にしか使えないのです。
「ハイター」に対して「ブリーチ」は使用自由のため、花王以外の商品に使われています。
薄めて使うということであれば安い「ブリーチ」で問題ありません。
ですが「ハイター」ならば用途に合わせた商品が販売されているので、用途別で選ぶなら「ハイター」がおすすめです。
次亜塩素酸水とは別物!
次亜塩素酸水は、アルコールよりも強力に除菌が出来ると話題になっています。
人体への影響が少ないにも関わらず、部屋中を消毒・除菌出来るためです。
同じ次亜塩素酸ですが、全くの別物となっています。
- 無色透明
- 酸性~中性
- 殺菌消臭
歯医者さんのうがい用の水や、加湿器に入れて部屋全体を殺菌するのに用いられます。
希釈しても十分な殺菌効果を持ち、人体への影響も少ないのが特徴です。
- 黄色っぽい
- アルカリ性
- 殺菌漂白
主な用途はカビ取りや漂白洗剤の主成分です。
安価で手に入りやすいですが、間違った使い方をすると人体へ害を及ぼします。
次亜塩素酸ナトリウム水を犬猫に使わないで欲しいです。さきほど吹きかけている方に会いましたが、体に直接使うものではありません。次亜塩素酸水とは別物です。猫はからだを舐めます。ペットの体には次亜塩素酸水を。https://t.co/sPbM4Y63SF #新型コロナ #ネコ #ペット感染 #猫感染 pic.twitter.com/D9HiZkdw5x
— (株)八設(はっせつ)世田谷営業所 (@hassetsutokyo) April 7, 2020
次亜塩素酸水の使い道
基本的に次亜塩素酸水は市販されている物を希釈して使用します。
ウイルスや花粉の除去、家の中の除菌や消臭として用います。
人体に害は無いに等しいので、手指消毒はもとろん赤ちゃんやペットのいるご家庭でも安心してお使いいただけます。
しかし他の除菌剤と比べると、成分が変質しやすいので消費期限を必ず確認しましょう。
製造されてから時間が経過すればするほど、徐々に効力を失い最終的には水になってしまいます。
次亜塩素酸水の効果が一番発揮されるのは製造から半年~1年です。
購入する際は製造日を確認しましょう。
こちらの動画では容器別の寿命テストをしています。
次亜塩素酸水は加湿器に入れて使える
次亜塩素酸水を加湿器に入れて使用すると、部屋などの空間を除菌することが出来ます。
しかし注意点もあります。
- 加湿器での使用を前提としていない次亜塩素酸水がある
- 加熱式の加湿器には使用できない。
- 次亜塩素酸ナトリウムを入れない。
特に重要なのは3番目です!
次亜塩素酸ナトリウムは人体や金属製品に悪影響を及ぼすので、絶対に加湿器に入れないようにしましょう。
https://twitter.com/ken4210796/status/1248108616348880896?s=21
まとめ
- 次亜塩素酸は塩素系漂白剤の主成分
- 便利なものこそ取扱いに注意が必要
- 次亜塩素酸ナトリウムで消毒液を作るときは手袋必須
- 次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水はまったくの別物
- ハイターとブリーチの違いは商標登録
便利だからと言って知識なしに使うと取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。
安心・便利という言葉を過信せず、きちんとした知識をつけて正しく除菌を行いましょう。
除菌・掃除に関してこちらの記事もご参考ください↓↓