暗くなるニュースでもちきりの昨今、ハイターで除菌をしようと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしハイターって本当に除菌効果があるのか、どの部分にどんなふうに使ったらいいのかわからない…という方も多いと思います。
また、ハイター以外にも除菌効果の高い便利な商品が多く販売されており、購入の際に効果の違いに悩まれることもあでしょう。
この記事では、ハイターについて正しい知識をもち、安全かつ効果的な除菌ができる方法を紹介していきます。
また、ばい菌を予防する方法についても解説していきます。
目次
ハイターの除菌効果と注意点
引用:花王公式サイト
ハイターは、家庭内の様々なモノの除菌・漂白に使われている有名な商品です。
実際に食器や衣類の漂白に使い、その効果を感じている方も多いのではないでしょうか。
では、目に見えない除菌の面ではどのくらい効果があるのでしょうか。どんなばい菌にも効果はあるのでしょうか。
まずはこちらの図をご覧ください。
引用:花王 公式HP
ハイターの主成分は次亜塩素酸ナトリウムという物質です。
ご覧の通りに、ほぼすべての細菌・ウイルスに有効であることが分かります。
ハイターの主成分 次亜塩素酸ナトリウムとは
ハイターの主成分は次亜塩素酸ナトリウムです。酸化・漂白・殺菌作用をもち、様々なモノの消毒にも使用されています。
- 上水道・プールなど水の殺菌
- 医療機器や寝具の消毒
- 野菜の殺菌などの食品衛生
次亜塩素酸ナトリウムの強い酸化作用は、細菌やウイルスを構成するタンパク質そのものを破壊する力があります。
アルコールは細胞を包む外膜を溶かす、また壊す働きをするため、細菌・ウイルスが生きていくための機能をなくす(不活化させる)力があります。インフルエンザなどには有効です。
しかし、外膜がなくても生きていけるノロウイルスやロタウイルスに対しては、十分な効果が得られないのです。
アルコール除菌では効果の得られないウイルスに対しても有効に働くのが、ハイターなのです。
ハイターを使用する際に注意するべきポイント
ハイターは次亜塩素酸ナトリウムという強力な成分でできていることが分かりました。
ハイターは強力なアルカリ性をもつため、使用する際には注意するべきポイントがいくつかあります。
- 強力なアルカリ性なので人体の消毒には使えない
- 使用する際は必ずゴム手袋をして扱う必要がある
- 酸性洗剤と一緒に使ってはいけない
※混ぜると有害な塩素ガスが発生するのでとても危険!! - 金属製品に使用するとサビや変色を起こす可能性がある
次亜塩素酸ナトリウムの殺菌効果は強力な酸化力によるものです。
その酸化力の強さは、人肌や粘膜に有害というだけではありません。材質によっては対象物を腐食させることもあるのです。
https://twitter.com/mihochobi_cv33/status/1153313196029071363
ハイターの主成分は次亜塩素酸ナトリウムですが、商品保護のために水酸化ナトリウムも少量混ざっているので、触れると肌や粘膜を傷つけるおそれがあります。
使用する時にはゴム手袋をし、必要に応じてマスクやメガネも使用するなどの細心の注意が必要です。
そして使用する時には必ず単独で使用するようにしましょう。酸性洗剤だけではなくクエン酸や酢なども、混ぜることで有害な塩素ガスが発生することがあります。
ハイターを使った除菌方法
ハイターはアルコール製剤に比べても強力な除菌効果をもつことが分かりましたね。
次亜塩素酸ナトリウムを使った消毒方法は、厚生労働省も推奨しています。
手などの皮膚の消毒を行う場合には、消毒用アルコール(70%)を、物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)が有効であることが分かっています。
引用:厚生労働省 公式HP
では、実際にハイター消毒液を作って家中の除菌をしてみましょう!
ハイター消毒液の作り方
まずはハイターを消毒液を作りましょう。
濃度は0.05%とするのが一般的ですが、特に多くの手が触れる部分・体液や汚物などで汚染されやすい部分にはさらに濃い0.1%濃度のハイターを準備すると良いです
- 濃度0.05%…ペットボトル水1Lにハイター25ml(ハイターのキャップ約1杯)
- 濃度0.1%…ペットボトル水1Lにハイター50ml(ハイターのキャップ約2杯)
さらにキッチン泡ハイターは濃度0.1%の次亜塩素酸ナトリウムとして使えるので、薄めずにそのまま使用することが可能です。
消毒液を作る時には水の温度にも注意が必要です。
塩素系漂白剤は、85℃以上の熱湯に溶かすと塩素ガスが多量に発生するのでとても危険です。
お湯を使うとしても、40℃程度の肌に触れても大丈夫な温度で溶かしましょう。
また、作りおきはをすることはできません!!次亜塩素酸ナトリウムは水で溶かすと分解されやすくなる性質があります。
注次亜塩素酸ナトリウムは強力な除菌効果がある分、注意して使わなくてはならないことは先程もお伝えしましたね。
特に家族がいる家庭は、皆が見て分かるようにしなければ誤って使用してしまう危険があります。
消毒液を作ったらすぐに分かりやすく明示し、他のものと混同しないように目立たせる工夫が必要です。
ハイター消毒液の使用期限については、こちらの記事も参考にして下さい。↓↓
ハイターで除菌をする場所
では、実際にどのような部分を除菌したら良いのかを確認しましょう。
リビング・食事をする部屋
- ドアノブ
- 窓の取手
- 照明のスイッチ
- ソファーテーブル・椅子などの家具
- 電話機
- 床・壁
ドアノブやリモコンなどは特に多くの人が触る部分です!
床・壁・家具以外にも、手の触れるところは積極的に拭き掃除をしましょう。
浴室
- 水道の蛇口
- シャワーヘッド
- 浴槽
- 洗面器
- 排水溝
ばい菌の除菌だけではなく、ヌメリや黒カビにもとても効果的です。
ハイター消毒液をスプレーするのも良いですが、スプレーは拭き掃除に比べても、目に入ったり肌に触れるリスクも高くなり危険です。
普段使用している浴室用の洗剤やカビ取りスプレーなどと比べても高い濃度であるため、取り扱いには注意が必要です。
トイレ
- 水洗便器と流水レバー
- 便座とフタ
- 汚物入れ
便器の内側側面の汚れは、ハイター消毒液が下に流れ落ちてしまうことも多いです。
トイレットペーパーを敷いてその上からハイター消毒液をかけると薬液が流れず、浸透しやすくなります。
またトイレは狭い空間でもあるため、独特のニオイがして掃除中に気分が悪くなる可能性もあります。
ハイターを使った掃除方法
作ったハイター消毒液を布にたっぷり含ませ、よく絞って拭きます。
そしてハイター消毒後には水拭きをして仕上げます。
非常にアルカリ性の高い製品であり、薄めた液でも材質によっては変色や腐食を起こす場合があります。拭いた後は必ず清潔な布や紙を用いて、しっかりと水拭きしてください。
引用:花王 公式HP
拭き掃除に使用するものは新品のクロスではなく、古い布端・ペーパータオル・使い捨て雑巾・手袋などが便利です。そのまま捨てることができるので衛生的にも安全です。
ウイルスに感染している時には
家族にノロウイルス・ロタウイルス・インフルエンザなどに感染している家族がいる場合は、さらに入念な対応が必要になります。
吐物・排泄物・くしゃみなどで一緒にでた唾液にも、ウイルスが含まれているからです。そして、そこから感染を起こしてしまうリスクがあります。
ロウイルスが感染・増殖する部位は小腸と考えられています。したがって、嘔吐症状が強いときには、小腸の内容物とともにウイルスが逆流して、吐ぶつとともに排泄されます。このため、ふん便と同様に吐ぶつ中にも大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分注意する必要があります。
12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて、感染が起きた事例も知られており、時間が経っても、患者の吐ぶつ、ふん便やそれらにより汚染された床や手袋などには、感染力のあるウイルスが残っている可能性があります。このため、これら感染源となるものは必ず処理をしましょう。
引用:厚生労働省 公式HP
アルコールでは効果の得られないノロウイルスやロタウイルスの除菌について、注意するべきポイントはこちらです。
- 汚物の処理後も十分に換気をする
- 使い捨てのエプロン・手袋・マスク・ゴーグルを正しく装着する
- 排泄物や吐物など汚物がある場合はペーパータオルで静かに拭き取り、汚物はビニール袋へ入れ密封する
- 汚れた部分はハイターで浸すように拭き取り、水拭きをして仕上げる
https://twitter.com/otoratoracoo/status/1247719555104980993
汚物にもウイルスが潜んでいることを考え、万全の対策をして掃除・除菌をすることが必要です。
できれば大人数で関わらず、感染予防のために1人で仕上げてしまうことも大切ですね。
- ハイターの濃度は0.02%(水1Lにハイター5ml)
- 85℃で1分間以上の加熱・熱水洗濯をする
ハイターで掃除できる物や場所が汚れた場合は比較的掃除がしやすいですが、特に小さな子の場合は突然吐いたり、失禁してしまうこともあるため、思わぬところが汚れてしまうことも多いです。
タオルや布類などが汚れてしまった時には、軽く水洗いした後に熱湯で加熱するという方法も活用してみましょう。
洗濯のできない布団やカーペットなどは、高温の乾燥機を使ったり、よく乾燥させた後に高温のスチームアイロンを当てるのも有効です。クリーニングに頼むこともひとつの手段ですね。
ノロウイルスへのハイター消毒については、こちらの記事も参考にして下さい。↓↓
ハイターとは違う?次亜塩素水とは
幅広いばい菌に効くのはハイターだけなのでしょうか。そんなことはありません!
次亜塩素水の存在についてはご存知でしょうか。次亜塩素酸ナトリウムとネーミングは似ていますが、主成分・性質・特徴は全く違うのです。
次亜塩素水は食塩水を分解するときに作られる、次亜塩素を主成分とする水溶液のことを言います。
次亜塩素酸ナトリウムと同様に、幅広い細菌・ウイルスに対して除菌効果があることが証明されています。
- 希釈せずそのまま使用できる
- 手肌に触れても安全である
- 人や環境に対する安全性がとても高い
では次亜塩素酸水を主成分としたオススメの商品を紹介します。
ジアニスト
多くの市販されている次亜塩素酸の濃度が200ppmであるのに対し、ジアニストは500ppmの高濃度水です。用途によって濃度を調整することができます。
- 原液…汚物・生ゴミ・おむつ・カビなどの除菌・消臭に
- 希釈して…リビング・キッチン周り・浴室・エアコンなどの除菌に
- さらに希釈して…靴や下駄箱・車内・食卓・衣類・寝具などの消臭に
希釈して使えばコスパも最強です!!
https://www.instagram.com/p/B7WByMZJB_t/?igshid=1clj1icis22bn
OXミストスプレー
引用:OXミスト 公式サイト
新製法により他の商品よりも有効濃度が安定しているので、最大3年間と長期保存ができます。
使い切らなくてはという不安なく、少しずつでも長く使えるのは嬉しいですよね。
携帯に便利な携帯用スプレーボトルセットがあるのも特徴です。
ポーチに入る30mlサイズで、外出先でもこまめに除菌・消臭することができます。遮光ボトルを採用しているので、詰め替えても長期間保存ができます。
モーリス
専用の超音波噴霧器も販売されているのが大きな特徴です。
原液を4〜10倍に希釈すれば空間墳霧にも使用でき、気になるニオイや空中の浮遊菌除去もできます。
玄関・リビング・食卓などでも安心して使えます。噴霧して使うことはハイターにできないことなので、魅力ですよね!
LEDライトを点灯すればお部屋がとてもオシャレになります。
除菌だけじゃない!基本的な予防方法をおさらいしよう
生活空間には、見えない細菌・ウイルスがたくさん漂っています。部屋の除菌を徹底することも大切ですが、細菌から身を守るための予防方法を一緒にとることで、さらに除菌効果が上がるのです。
では、基本的な予防方法を紹介していきます。
手洗い・うがい
ばい菌は飛沫感染や接触感染で感染するものが主ですが、それは手洗い・うがいである感染が防げると言われています。
特にハイターではモノの除菌しかできないので、手はこまめに洗ったり、アルコール消毒液などを使用し除菌していくしか予防方法がないのです。
ここでもう一度、正しい手洗いの方法をおさらいしましょう。
換気
例えばインフルエンザに感染した人がくしゃみや咳をした場合、最低でも2~3時間程度は吐き出されたウイルスが空気中に漂っているというデータがあります。
また汚れた空気の中にいると喉や気管の粘膜が傷付き、抵抗力も落ちて感染症にかかりやすくなる可能性もあります。
最低でも1時間に1回、5〜10分程度の換気をするようにしましょう。
窓は2箇所以上あけると空気の通り道ができやすくなります。
まとめ
- ハイターは幅広い細菌・ウイルスに対して有効で、高い除菌効果が期待できる
- ハイターは強アルカリ性であるため、手指・肌・粘膜への消毒はできない
- ハイターの除菌効果は高いが、使用する時には注意するべきポイントもある
- ハイター消毒液を作成すれば、家中の除菌・消臭に効果的である
- 身体や環境に優しい次亜塩素水を使用すれば、ハイターよりも簡単に除菌・消臭ができる
- 除菌だけではなく、生活習慣からウイルスを予防していくことも必要である
ハイターは他洗剤に比べても強力な印象がありましたが、まさにその通りでしたね。カビやシミ抜きだけではなく除菌の面でも効果は抜群です。
眼鏡・マスク・手袋などで対策をバッチリをして、家中を一気に除菌しようと思います。
皆さんもぜひ、身近にあるハイターで除菌活動をしてみてください。
ハイターを使った掃除・消毒方法については、こちらの記事もぜひご覧ください。↓↓